タムタムの見たHK



香港人との付き合い方
羽根田 兼亮 (香港在住:2年)

私は、在港2年になります。香港人との付き合いは、仕事を通じてがほとんど。 大多数が同じ会社の同僚です。

●シャイな働き者?
 香港人の第一印象は、「よく働くな」ということでした。職場の人間もそうで したし(この印象は後で少し変わっていきますが)、レストランなどもすべて年 中無休ですし。
 もうひとつの第一印象は、シャイな人が多いということでした。英語に自信が ないために、あまり話し掛けてこない……などということはしょっちゅうで、 人づてで話がくるということもありました。

●“つっけんどん”にびびるな!
 その一方、結構つっけんどんな話し方をします。何かを欲しい場合に「I WANT ***」と言う人がいるのです。失礼な言い方だなと当時は思いました。これは 後に「我要***」が広東語で「***をください」という意味だからだと分か りました。直訳していたのですね。
 言葉が聞き取れない場合に「はぁ?」とびっくりするくらい大きな声で聞いて きます。なんだか怒られているような気がします。でも、これも全然悪気はない。 もともと大きい声で話す人が多く、レストランなどはすごい喧騒です(おかげで、 小さな子供を連れていっても全く気になりません。子連れにはよい街です)。
 彼らのこんな態度には、慣れないと驚くかもしれませんが、どちらも文化や習 慣の違いからくるものと知っていれば、誤解なく付き合いを深めることが出来る はずです。

●電話と、強い女性の関係
 ところで、香港の電話は市内料金がかかりません。つまり基本料金でかけ放題 な訳です。そのためか電話好きが多く、携帯電話・ポケベルを持っている人も数 多くいます(ちなみに携帯電話は時間に応じて料金がかかります)。
 社内でも、女性にはよく電話がかかってきます。なんでも、彼やご主人が一日 何回も電話をかけてくるそうです。「今日の晩御飯はどちらが何を買って帰ろう か」という相談だったりするとか。香港は女性が大変強いようで、男性は気を遣 わないとすぐ逃げられてしまうのだそうです。
 また、香港の女性は、結婚・出産後も仕事を続けるケースが多いですね。家に はメイドさんがいて、料理を自らすることも、子供をだっこして外にでかけるこ とも少ないようです。もっとも、女性曰く「香港の女性は仕事も家事もしなきゃ いけないのだから大変なのよ」だそうです。確かにママさん社員の中には一日何 回も子供に電話をかけている人がいますし、子供の授業参観等、ご主人と日程を 調整して行ったりしています。教育熱心は日本以上の国でして、仕事をしながら の子供の教育のアレンジは確かに大変そうです。

●通勤ラッシュのわびさび
 こちらは大変な人混みで朝の通勤ラッシュもなかなかのものです。私は2階建 てバスで通っていますが、満員で座れないこともたびたびです。ただ、東京ほど 殺気立っていない。微妙な間合いですっとよける技に長けている、というのでしょ うか。
 でも、一方でこの「すっ」が問題でもあるのです。ドアを手前に開けたところ、 向こうからすっと入り込まれたり、後ろの人のためにドアを開けてまっていると、 何も言わずにドアに手も添えずすっと入り込まれたり……。
 しかし、会社の中などは目上の人に対して非常に丁寧でこちらが申し訳なく思 うくらいです。日本人にもそういう面がありますが、身内と外の区別があるので しょうか? それとも、人によって礼儀正しい人とそうでない人がいるのでしょ うか? まだまだ謎が多いです。

●お金に細かい? 香港人の素顔・寄付金事情
 一般に香港人はお金に細かいと言われていますが、土曜日は皆ワッペンをつけ て歩いています。これは赤い羽根募金みたいなもので、寄付をするとワッペンを 貼ってくれるのです。ワッペンがないと恥ずかしい気がするくらいです。また、 逆に寄付を募るのは制服を着た学生、ボーイスカウトやガールスカウト。毎週見 かけますので、結構そういう活動が盛んなようです。
 私は最初なぜ学生が寄ってくるかわからず、恥ずかしい思いをしました。

 次々に新しい側面を見せてくれる香港、そして香港の人々。滞在2年が過ぎて も、いまだ奥が深く、分からないことも多くあります。せっかくですから、もっ と交流を深めたいものです。次は、どんな香港の顔に出逢えるか、まだまだこれ からが楽しみです。






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