タムタムの『NYから』 1999年1月



No.139
1999/01/25(Mon)
空港(NYから−45)

家族が日本に帰るので、午前中休みを取り、見送りに行きました。

家からタクシーで空港に向かいます。
タクシーはあらかじめ電話で予約。
いまにも壊れそうなアメ車です。

用心して3時間前に家を出たら、なんと40分で着いてしまいました。

このターミナルは初めてです。
確か昨年、JALが他の航空会社を組んで新しいターミナルを作ったのでした。
これまでよりずっと広くなりましたが、閑散。
こんな所にお金使ってていいのかなぁ、と考え込みました。

NYだからなのか、国際線のためか、JFKでは飛行機に乗らない人は荷物検査の先へは行けません。
ファミリーザービスを使ってることもあり(荷物検査の外で集合)、朝食をとることにしました。

店は3軒。コーヒーショップとパブレストランとマクドナルド。
必然的にマクドナルドとなりました。

息子の心は既に飛行機。
「早く行こうよ。」 いや、うるさい。
妻まで、「ファミリーサービスやめて入っちゃおうかしら」
40分前までに集合場所に来るように言われていたのですが、結局、1時間前に行きました。

なんと、その日はファミリーサービス1組しかいなかったのです。
すぐに、係りのお姉さんが引率してくれて中へ。
荷物も持ってくれるので大変助かります。

息子に「じゃぁ、バイバイ」と言うと、おやおや。
急に涙をポロポロ。
恥ずかしいのか妻にしがみつきました。

いつのまにか、そんな年になったようです。

見送った後、タクシーで職場に向かった頃から、雪が降り始めました。




No.140
1999/01/29(Fri)
陪審員(NYから−46)

職場の同僚が陪審員をやってきました。
彼女にどうだった、と聞くといろいろ教えてくれました。

今回のケースは2歳半の子供の児童虐待で、どうも亡くなったようです。
最初に言ってくれたはずなんですが、聞きなおせなかったです。

で、その子のお父さんが起訴された。

まずは、陪審員選びから。
無作為に選ばれた候補者が集められます。この段階で拒否することもできます(業務上の理由等)が、拒否できる回数には制限があります。その候補者の中から実際に陪審員をする人が選ばれます。
男女同数だが、小さな子供を持つ親は除外されました。
で、子供のない彼女が選ばれたようです。

また、この段階で被告・検察双方からチェックを受けます。
警察官に知り合いはいるかとか、今までに犯罪にかかわった事があるか等、いろいろと聞かれるようです。普通は警察官に知り合いがいると陪審員には選ばれにくいそうです。検察側に偏るのではないかと、被告側弁護士が拒否するらしい。彼女は知り合いに警察官がいたのですが、今回は、被告の兄弟が警察官で目撃者(現場ではないようです)でもあったので、それで除外されることがなかったらしいです。

また、「犯罪にかかわった事は?」といっても、例えば殺人事件の目撃者になってしまった等、思い出したくもないことをいわされるので、結構辛いらしいですね。

今回は裁判官がしっかりした人だったので非常に早く終わり法廷は2日ですんだそうです。(待ち時間を入れて4日間会社を休みました。)
通常は法廷だけで1週間以上はかかります。この間、勤務先では特別休暇となります。(なにせ、国民の義務ですから)

証人の話を聞き、無罪の評決を出したのが6時半。
それから、裁判所が夕食を出してくれ、タクシーで家まで送ってくれたそうです。関係者に逆恨みされたら・・・・と心配していたので助かったと言ってました。

彼女曰く、被告がやった可能性もあるが、他の人がやった可能性もある。証拠が不十分で警察の怠慢だと思うが、この状況で被告の人生を有罪という事で無茶無茶にはできない。

ちなみに、無罪はINOCENTではありません。NOT GUILTYです。ここにとても特徴が出ていると思います。

検察側は検挙率を挙げろというプレッシャー(市長が検察か警察出身)のため、ともかく起訴したという感じだったとのこと。

母方の祖母が当日、虐待を受けた子供を見ているのですが、何もしなかったこと。翌日、やっと医者に連れていったが手後れ(too late)だったこと。
この医者が警察に通報したこと。どうも、この両親は離婚の話が出ているようだが、事件とは無関係ため知らされなかったこと。この母親は裁判所に来なかったこと。だから、母親も父親が犯人だとは思っていないのではないかと思ったこと。 等いろいろと話してくれました。

最後に、いままではニュースでしか聞いていない事を目の前にして、いろいろ考えさせられた。
今回のケースは、子供はかわいそうだが、あの証拠じゃ有罪にはできない。
これは最初から、陪審員全員が持った印象だった。
捜査をやり直すべきだと思うが、告発がない限りできないらしい。
と、続けてくれました。

ちなみに、陪審員が決めるのは「事実の認定」だけだそうです。
今回の場合は、「父親がやった」か否か?
確か有罪には全員一致が必要ですから、無罪になりやすいシステムかもしれません。




No.141
1999/01/30(Sat)
10−10321(NYから−47)

こちらでは長距離電話の競争が大変激しく、しょっちゅう勧誘の電話がかかってきます。

この長距離電話、2種類ありまして、申し込むと地域電話会社を経由して、すべての長距離電話が切り替わるもの(切り替え手数料を取られます)と、頭に***と押すとその会社に切り替わるものです。

日本は今後者ですが、前者のシステムを取り入れようという動きもあるようですね。

さて、日本への国際電話もご多分にもれず、競争激烈で、1分25セントから30セントあたりに並んでいます。

さて、ここからが本題ですが、引越し当初、この番号でだまされました。
不動産屋(今や従姉妹の義理のお母さん)が、「この番号でかけると安いですよ。」と言ったのを真に受け、国際電話はこれだ!とやってました。

請求書を見てびっくり!!
ずいぶん高いのです。

よく見ると、「1回の通話が20分を超えると正規料金の半額になる」、しかも、その半額料金が他社の割引料金とあまりかわらないじゃありませんか!!

つまり、短時間電話だと大損していたのです。
そんな、20分も電話しませんからね〜〜

頭に来て不動産屋に電話すると、「すいませ〜ん。私もだまされました〜。」

この会社、NIFTYのフォーラムでも噂になるくらい、皆がひっかかる所なんですが、テレビの広告がすごいです。(今は10分以上で半額)
ここまで広告を続けられるという事は、いかにひっかかる人が多いか、
いや、アメリカ人は単純なわけだ!!





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