香港に行くまでの私の中国茶に対する印象はペットボトルの烏龍茶でサッパリしているけど渋みが強いお茶、もしくは中華料理屋で出てくる香りが非常に強いジャスミン茶というもの。そんなに積極的に飲みたいとも思いませんでした。
香港に住んで、飲茶で飲む晋洱茶、香片茶、水仙茶あたりを覚え、コーヒーの代わりに鉄観音のティーパック、飲茶では晋洱茶を飲むようになりました。
それが、NYを経由して日本に帰ってから、香港の茶荘に連れて行ってもらい中国茶に目覚めました。
実は、昔から日本の煎茶は好きだったのですが、よい煎茶は高い上に2~3煎しかでず、時間を置くとダメになる事から、本当にゆったりした時しか飲むことができず、いつしか遠ざかっていました。
中国茶も高いものもあるのですが、時間を置いてもそれなりに楽しむことができ、普段飲むのにぴったりという事で、日常のお茶は中国茶となりました。バカの一つ覚えよろしく同じお茶ばかり飲んでいたのですが、台湾旅行で評茶の真似事のような事をさせていただき、お茶に対する幅がグッと広がった感があります。
そうは言っても、お茶に詳しいわけでもなんでもなく、淹れ方を知っている訳でもありません。大きなガラス急須でマグカップにたっぷりお茶を入れては飲んでいます。そこで、そういう素人?の目でお茶について簡単にまとめてみました。詳しく知りたい方は中国茶に関するサイトがたくさんありますので、そちらをご覧ください。
皆さんも、是非おいしい茶荘、お茶を投稿欄にご紹介ください。
中国茶の種類は、醗酵の進み具合で分けることができます。
醗酵のないものから緑茶、白茶、青茶、紅茶と醗酵が進み、それとは別に後醗酵茶と言われる黒茶があります。また、青茶は焙火の強さでかなり味が異なり、焙火が弱いと緑茶に近いさわやかな感じ、焙火が強いとほうじ茶のような香ばしい感じが強くなります。
ここでは、醗酵度の低いものから高いものへ順番に、茶葉、淹れたお茶、湯を注いでひらいた茶葉の順に写真で紹介します。味わいの方はそれぞれのお茶によって個性が強い上に人によって感じ方も異なると思いますので、コメントは少なめにします。
緑茶(大陸浙江)
芽の部分を摘む。湯の温度は低め(85℃)。
明前西湖龍井
一芯二葉。
太平猴魁
草原の香りと味わいのする緑茶。龍井と比べると茶葉が大きいですね。
毛峰茶
龍井のようなツンとしたところがなく、食事とよく合います。
碧螺春(茗香茶荘)
ちょっと気取った上品な味。
盧山雲霧
ほうじ茶に似た、香ばしい味わいと香り。
雲南銀毫
一芯二葉。湯の温度は低め。
晋洱白毫
晋洱とあるが、味わいはフルーティーな白茶。
白豪壽眉(義安茶荘)
食事によく合う爽やか白茶。
白牡丹
寿眉と似た白茶。食事によく合います。
文山包種茶(坪林)
葉を1枚1枚摘む。茶葉はちょっとよれた感じ。湯の温度は低め(85℃)。
文山包種茶(新純香茗茶)
湯の温度を高くすると香りがたつよう。
杉林渓茶
一芯二葉。茶葉は柔らかい。湯の温度は高め(95℃)。
四季春(名間軽焙火茶)
一芯二葉。湯の温度は高め(95℃)。お茶はミルクの香りがする。
四季春(養心堂)
湯の温度は高め。たつような強い香りの蔭にミルクのような甘い香りがします。その一方、味の方はとても軽く若々しい感じ。
梨山茶(新純香茗茶)
ミルキーですがすがしい香りがする。
梨山茶(霧峰)
クリーミーな香りが立つよう。
梨山冷凍茶(三宝園)
夏に摘んだお茶を捻じずに冷凍させたもの。クリーミーな香りがしますが、甘みは少なめ。
桂花金萱茶(高山茶)
キンモクセイの花の香りを付けた(燻花)お茶。湯の温度は高め(95℃)。
阿里山茶(三宝園)
香りがスッキリと力強い。
波羅蜜
とても軽いお茶の文山包種を、焙煎強く仕上げたもの。香ばしいお茶です。
紅叶観音(福麗園)
安渓鉄観音。若々しい香りに味わい。焙火はそれほど強くありません。
安渓鉄観音(彩香)
安渓鉄観音。色合いは薄く、茶葉の色は濃い。ほうじ茶にも似た香ばしさがあって、焙火は強めなのかもしれない。
冠軍茶王(茗香茶荘)
安渓鉄観音。クリーミーな香りに味わいはまろやか。焙火はそれほど強くありません。
黄金桂(羅湖商場)
若くて爽やかな味わい。焙火はちょっと強め。
黄金烏龍(三思堂)
クリーミーな香りに、若くて爽やかな味わい。焙火はそれほど強くありません。
紅観音
しっかりした味ですが、まろやかです。
通天香
鳳凰単欉の一種。茶葉は香ばしい香りがしたのですが、淹れるとずっと上品な味。
烏崠宋種單欉(茗香茶荘)
フルーティーな香りに、香ばしい味わいです。
密蘭香
鳳凰単欉を焙火を強くしたお茶。フルーティーというかミルキーな香りに、香ばしい味わいです。お茶の色は写真より少し薄め。
凍頂烏龍茶(重焙火)
湯の温度は高め(95℃)。重焙火のお茶は少し焦げたような香り。
岩茶肉桂(遊茶)
台湾茶のように軽くないしっかりしたお茶。
武彝肉桂(茗香茶荘)
焙火の強いお茶。
八仙(緑苑)
葉はストレートで黒っぽく、さっぱりと甘みはあまりありませんが、とても香ばしいです。
白豪烏龍茶(東方美人)
茶葉はウンカがかむせいで小さく、小さいほど高級。湯の温度は高め(95℃)。(間違って低い温度の湯を入れたので茶葉が若干開いていない)お茶は蜂蜜の香りで、口に含むと唾液が出てくる感じ。
蒙頂黄芽(天山茶城)
本来は黄茶だが、醗酵を進めて紅茶に近い仕上がり。後味がなくさっぱりとしている。湯の温度は低め。
紅茶(南投魚池郷)
醗酵度が80-85のお茶。湯の温度は低め(85℃)。
四川金毫(天山茶城)
紅茶の場合は、湯の温度は低め。茶葉から甘いさわやかな香りがし、飲んでも甘い感じ。
正山小種(MARIAGE)
フランスMARIAGEのLAPSANG SOUCHONG。骨董屋のような香りがなんともオシャレ。
晋洱茶(生茶-05年)
黒茶。生茶と言って自然に醗酵させたもの。2年経っていないので、緑茶に近い感じ。
晋洱茶(生茶)
黒茶。生茶と言って自然に醗酵させたもの。緑茶に近い感じの、独特の後味がする。
晋洱茶(生茶-90年頃)(雲南茶房)
黒茶。生茶と言って自然に醗酵させたもので、これは20年弱置いたもの。
晋洱茶(熟茶)(雲南茶房)
黒茶。熟茶と言って人工的に醗酵を進めたもの。餅状に固めたもので、崩していれる。
家蔵晋洱王(茗香茶荘)
黒茶。カビ臭い香りのする物もある。餅状に固めたものもあるが、これは散茶。
遠年晋洱茶餅(茗香茶荘)
黒茶。カビ臭い香りのする物もある。餅状に固めた茶餅という名前だが、写真は崩した後。
极品茉莉花茶
代表的な花茶で、このお茶は500gの葉に2kgの花を使っている。まるで香水のような香りの茶葉で、香りの中に飛び込む感じ。香料で付けた香りでないので、何煎も香りが持続する。湯の温度は低め。